なでしこ組です。

二歳児は、まだまだ自分一人の遊びに没頭する日々を過ごしています。一方で、空間や遊具を共有したり、他の子への意識から会話が出来る姿も見えてくるようになりました。まだ「仲間」というような強い意識はありません。最初から仲の良い子と遊ぶことを決めているようなこともまだ見られません。一人一人が自分の遊びをしているところから偶然的に他の子との関わりが発生します。その偶然の関わりが、私たちが知る、コミュニケーションというものに繋がっていきます。

実際に子どもたちが関わり合いを育んでいる場面を紹介していきたいと思います。

赤ちゃんのお世話をしています(この子たちにとっては、シャチのぬいぐるみは赤ちゃんです)。赤ちゃんに哺乳瓶でミルクを飲ませる子がおり、隣には赤ちゃんのための飲み物を作っている子がいます。「おいしい?あかちゃん」「いまミルクつくってるからね」と話しています。三人ともしていることは違いますが、この空間にいることを認め合っています。この後もずっと遊んでいました。

 

二人で同じ遊具を使って、同じテーブルで遊んでいます。

数分間…ずっと無言です。二人ともロンディー(遊具の名前です)を色分けして揃えています。初めは、一緒に遊ぼうという雰囲気もありませんでした。片方が先にこのテーブルに座って色分けを始め、それを見てもう片方も始めました。二人とも自分のやっていることに夢中で、少しもお互いのことを気にしている様子が無いようにも見えますが、「このテーブルとこの遊具を共有している」ということはお互いに認め合っています。隣の子が「あおがもうないの」と呟いたことを、もう一人の子がしっかりと聞いていて、箱の中から青いロンディーを見つけようとしている姿もありました。そしてそのやり取りが終わると、また二人はそれぞれの世界に戻り、無言でじっくりと遊び始めます…

 

四時を知らせるパンザマストが鳴った瞬間、三人が音の聞こえる方角をはっと見て、ひとりは手元でしている砂遊びを続けています(見切れていますが)。ここから、共通の話題で会話が始まりました。

 

A「もうかえるじかんじゃん!」

B「もうすぐおむかえくるよね」

C「Cちゃんはパパ(がお迎えに来る)」

A「Aちゃんはママ」

 

背を向けていたり、全然違う方向を見ていても、相手の声は聞いていて、会話が成立しています。誰話を話をしていても、気にせず自分の遊びに集中することもできますが、お互いに言葉に耳を傾け、言葉で返していました。